とりあえずそこ置いといて

映画化も、ドラマ化もしない何でもない日常で感じたことや考えたことの寄せ集め

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

生の隣には

◆読んだ本 『小僧の神様 城の崎にて』/志賀直哉/新潮社/1968年 蜂の静かな死、死から全力で逃げ回る鼠、思いがけず殺してしまったイモリ。養生先での出来事が淡々と記された文から伝わってくるのは、筆者の心の静けさだ。穏やかとも冷淡とも違う、静謐さ…

それは単なる偶然

自分にとってよくないことが起こった時ほど、単なる偶然に意味を見いだす傾向が強いと感じた(自分自身が)。そして偶然に意味を見いだすことで自らをさらに悪い方へ誘導しているような気もする。 例えば、夕食の準備をしている最中に、包丁が指にあたって切…

ある小さな崩壊

最近まで、家の中でチューリップを飾っていた。 日中は花びらが大きく開いていた。横から見ると可愛らしい湯飲みのような形に見えるのだが、上から覗くとおしべとめしべがはっきりと確認できるものだから、なんだか見てはいけないものを見てしまったような気…

生活駄文・四

4月某日 銭湯に行った時のこと。 休日ということもあり、いつもよりも人が多かった。サウナは苦手だが温泉なら2時間くらいは余裕だ(途中でシャンプーをする時間も含めて)。何よりも液体の中にいるのが心地いい。ぼんやりすることを歓迎してもらえる空間で…