明日のおもかげ

映画化もドラマ化もしない何でもない日常で感じたことや考えたことの寄せ集め

選べる喜び、選べない喜び

音楽はサブスクで聴いている。

ドラマや映画のサウンドトラックも豊富にあるし、好きなアーティストの最新曲からデビュー当時の曲まで聴くことができ、選択肢がたくさんあるから。聴きたい曲を聴きたいときに何度でも聴けるのもいい。お気に入りの曲をいくつかピックアップして自分だけのプレイリストを作ることだってできる。つまり、自由に選べる喜びを存分に味わうことができるものなのだ。じゃあ選べない喜びって何? 選べないことに喜びなんてあるのか。

 

あるんです。最近気がつきました。ラジオです。ラジオから流れてくる音楽です。

高校時代からラジオが好きでいろんな番組を聴いているが、思えば、そこは様々な音楽との出会いの場だった。ラジオから流れてきて雷に打たれたような衝撃を受けた曲が何曲かある。大袈裟かもしれないが、本当に。その出会いがきっかけで同じミュージシャンの他の曲も聴くようになり、ライブにも行ったりするようになった。一応補足すると、自分がもともと好きなアーティストがパーソナリティーを務めている番組ではない。自分好みの音楽を選んだわけではない。たまたま聴いただけ。偶然その日のその時間にラジオをつけていなければ出会うことはなかったかもしれない。そう考えると、選べなくても、選べないがゆえの喜びを感じることができるのだ。

 

でも、そもそも喜びの性質が違うので、並べて考えてはならないのかもしれない。「音楽」というテーマにおいて、自由に選ぶことができる喜びというのは、好きな曲を好きなだけ摂取できることに対する満足感だ。他方、選べない喜びというのは、予期せぬ新たな出会いに対するワクワクだ。

 

いずれにしても、やっぱり音楽っていいな、と、改めて思ったのだった。