また足の小指をぶつけた。何であんなに痛いのだろうか。
朝起きてトイレに行こうとベッドから降り、歩きだそうとした瞬間近くにあったイスに激突。「いっ!」とスタッカートがついた音を発した。本当に痛いときは「痛い!」なんて言えない。よって、“声”ではなく、あえて“音”と表現する。しばらく悶えた後、赤くなった小指を引っ提げてトイレへ向かった。
そうそう、「ぶつける」で思い出したが、旅行でホテルに泊まった時に毎回思うことがある。ユニットバスの浴槽の縁が思っているよりも高いということだ。シャワーを浴びようと縁をまたいで浴槽に足を踏み入れようとしたが、上げた足の高さが縁の高さよりも低く、足の指をぶつけたことが何度かある。ああ、わたしは走り高跳びの選手には絶対になれないな、と確信した。…話を戻そう。その「思っているよりも」というのがポイントなのかもしれない。目で見たものと自分の身体との距離感がうまくつかめていないのだろう。なんだか残念な気持ちになった。
それにしても、小指は痛い。ぶつけやすいのにぶつけるとめちゃくちゃ痛い。いや、ぶつけやすいから痛いのか。ちゃんと末端まで気を遣えよという身体からのメッセージなのかもしれない。爪が割れなかったことを不幸中の幸いと思うことにしよう。