とりあえずそこ置いといて

映画化も、ドラマ化もしない何でもない日常で感じたことや考えたことの寄せ集め

生活駄文・二

11月某日

ガソリンスタンドにて。絶対にあり得ない言い間違いをした。

 

「現金で、レギュラー15ミリリットルお願いします」

 

言い終えてから、口がなんとなく気持ち悪い気がしたが間違いに気がつかなかった。店員さんは一瞬の沈黙の後、

 

「15リットルですね、かしこまりました」

 

と、言った。15ミリリットルとは…大さじ一杯のことだ。いくらガソリン価格が高騰しているとはいえ、さすがに大さじ一杯分だけガソリンを注文するのはあり得ないだろう。そう、あり得ない。私は15リットルと言いたかった。だが、なぜかミリリットルと口走ってしまったのだ。給油してもらっている間は平然とした顔をしていたが、支払を終えてスタンドを後にすると、急に恥ずかしさと笑いがこみ上げてきた。15ミリリットルだって、何それ、ふふふ…一通り笑い終えたあと、この出来事を“15ミリリットルの恥”と名付けようと思った。

 

12月某日

マスクを外して、冬の冷たい空気を思い切り吸い込んで肺に入れる。束の間の贅沢。あの爽快感は冬ならでは。特にマスクを外した瞬間の一吸い目。夏の暑い日によく冷えたビールで喉を潤すことと同じくらいの満足度があるのではないか。と、書いてはみたものの、私はビールが苦手なので比較対象としては不適切であった。唯一無二の小さな幸福だ、とだけ書いておく。