日々の断片採集記

映画化もドラマ化もしない日常で感じたことや考えたことの寄せ集め

15ミリリットルの恥

ガソリンスタンドにて。絶対にあり得ない言い間違いをした。

 

「現金で、レギュラー15ミリリットルお願いします」

 

言い終えてから、口がなんとなく気持ち悪い気がしたが間違いに気がつかなかった。店員さんは一瞬の沈黙の後、

 

「15リットルですね、かしこまりました」

 

と、言った。15ミリリットルとは…大さじ一杯のことだ。いくらガソリン価格が高騰しているとはいえ、さすがに大さじ一杯分だけガソリンを注文するのはあり得ないだろう。そう、あり得ない。私は15リットルと言いたかった。だが、なぜかミリリットルと口走ってしまったのだ。給油してもらっている間は平然とした顔をしていたが、支払を終えてスタンドを後にすると、急に恥ずかしさと笑いがこみ上げてきた。15ミリリットルだって、何それ、ふふふ…一通り笑い終えたあと、この出来事を“15ミリリットルの恥”と名付けようと思った。